ハワイスタジオ轟沈!でおなじみの

映画版FINAL FANTASYですが、ようやくじっくり観ることができました。スクウェアの社運を賭けたらあっさり敗北身ぐるみ剥がされエニックスと合併するはめになった呪われた作品でもあります。ひぃ。


さて、割と酷評されがちなこの映画FFですが(観るまではボクもそうでした)、いやいや、予想以上に面白いよ?王道のSFにCGでしか描き様がない敵を絡めて、なおかつ迫力のある映像にしてます。脚本に破綻がないし、細かい設定をきちんと生かしきってまとめているのが好感触。この「設定を脚本に生かす」というのが「アイテムをイベントに生かす」というゲーム的手法の良い反映のされ方だったと思いますね。
音楽と構図ではとにかく「映画」を意識していて微笑ましいくらいです。ただ、構図に関しては映画を意識するあまりどうしても「どこかで見たようなシーン」になってしまって単調なのが残念。良い意味の裏切りがないんですよね・・・。


CGに関しては金かけただけあってもう何も言うことはありません。冒頭の夢の樹とかキャラのワキが開きすぎとか主人公スーツ姿がウェストくびれすぎとか男キャラが野暮ったいとかところどころ寒いカットもありますがそれはデザインが悪いだけなので九字を切って見なかったことにしました。


全体を通して「まさにSF映画」という王道をヒネリ無く貫き通したため、実写でやるとゴールデンのテレ東映画が好んで放映しそうな感じに仕上がってます。しかしながら、全編CGは刮目するべきだし、FF7が好きなひとは諸所でニヤリとできること請け合い。観て納得のお値段です。
とはいえCGとFFがどうでもいい客にとっては凡百のSF映画。この程度の映画にものすごーい制作費掛けたら、そらスクウェアも潰れます。見通しが甘すぎる。
でもこのほほえましさ、健気さに、映画公開時にお布施を払ってもよかったかな、と今は思います。お布施。