夏も終わり

火垂るの墓をようやく観ました。よくTVでやってましたけど、通して観たのははじめてです。ちなみに評判と異なり、泣けませんので注意が必要です。


何はともあれ、節子役の白石綾乃が神。当時5歳ってほんとなんですかね?笑い声が上手すぎる。純粋でありながらきっちり演技を振り分ける、文句のつけようのない声でした。声優では出来ない演技が確かに節子にはありますね。
まぁ高畑作品で、声優を使わない映画として成功したのはコレだけなんですが。


さて、この火垂るの墓を今もって観ると、戦争の悲惨さを訴える良作ではあると思うんですが、兄弟の非業を描く名作では無いと個人的には思えますね。昔観たときは「西宮のおばさん」が兄弟を死に追いやる鬼のように感じられたんですが、今にするとまったく普通のことを言っているに過ぎず*1、兄弟が孤立していくには足りぬ理由です。節子の体調が悪くなったときに「西宮のおばさん」を頼り、そこで撥ね付けられるというエピソードがあったら悲惨でよかったですけどね。


まぁこの映画は、「子供に見せつけて将来のトラウマにする」くらいの用途にはこの先も使えるでしょう。せいぜい「戦争という行為」に対しての反戦プロパガンダとなればいいですね。そして代替手段としてのガンダムファイトの実現が早期化。



[追記]
キーワード火垂るの墓にある野坂昭如のエピソードは目を通しておくべきかも。つまりストーリーはいい加減だけど、映像に昇華されたときに価値が出たということかな?原作読んでないからなんとも言えませんけどねー。

*1:働けよ清太サン。