ことば

■「日本語力」低下 4年制私大、国立さえ…「留学生以下」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041124-00000000-san-soci

調査は十六年度に入学した三十三大学・短大の学生約一万三千人を対象に、中一から高三相当の問題を盛り込んだテストを行い、十四年度に中高生に実施したテスト結果と照らし合わせてレベルを判定した。
 その結果、中学生レベルと判定された学生は、五年前に行われた調査と比較して、国立大が0・3%から6%、私立大が6・8%から20%、短大が18・7%から35%と、数年間で大きく増加していることが分かった。
 テストでは「憂える」の意味を問う設問で、「中学生レベル」と判定された学生の三人に二人が「うれしい」に音感が近いためか「喜ぶ」を選択。「大学生レベル」とされた学生の中でも正答率は50%にとどまり、文字通り“憂える”結果となった。

分かりにくいのでまとめますと、中学生用テストの平均点かそれ以下を取った大学生が増えましたよ、という記事ですね。その「中学生レベル」の大学生の60%は「憂える」の意味が「喜ぶ」だとおもってたんだとか。


調査したのは独立行政法人メディア教育開発センターという、まぁあれです天下り団体なんである程度は恣意的な調査対象だったのかもしれません。調査されたという33大学は、一体どこの大学だったのかと。
しかしながらも、昨今大学の数は増え(定員割れ現象)、大学進学率も50%を越え続けていますから、大学に入り易くなっているのも事実。つまり大学のレベルが下がっていると言うことも出来るわけです。
安易に進学できてしまうことがモラトリアム期間を延ばし、「ニート」などという甘えを容認し、実際に社会に悪影響を及ぼす原因を作り出していると言えるのではないでしょうか。


とまぁそれらしく書きましたが。記事中の教授の提言には『リメディアル教育の必要性』というのがあります。リメディアル教育というのは大学でやる高校の補習みたいなモンなんですが、こんなこと言い出すのがダメですよね。大学で現国の補習をやるのかい。現実的ではない「特化教育」を推し進めようとする行政文科省の思惑が見え隠れ。(確かに学校教育としての現国は疎かにされすぎていると思いますが。しかし授業としては非常に難しいわけで、なんともねえ)


現実的な教育というのは、子供が小さなうち、つまり小学生の時間を有効に使うことでしょう。常用漢字だって百人一首だって、小学生のうちに面白がって覚えてしまうのがいいのです。覚えることを増やしたり減らしたりするのが教育ではなく、子供が苦痛を覚えないようにしかも多くのことを吸収させるのが教育。後者は一見矛盾してるように見えますが、実は前者のほうが歪んでるというコトに文科省教育機関は早く気づいてほしいものです。


最終的には高校の単位制を増やして「大学化」させ、大学を「大学院化」つまり特化教育をこの段階で行う。これが今回のボクの提言です。



[参考リンク]
■NIME メディア教育開発センター http://www.nime.ac.jp/
サブカルチャー言語学 http://www.ifnet.or.jp/~akizuki/


[憂追記]
該当スレで「憂う」と「憂える」の違いについてマジレスしてるのがいた・・・。日本はどうなってしまうのでしょう。公用語が英語とエスペラント語になります。


[追々記]
id:ajiemon:20041125 
ここのエントリがまとまっていて、ついでに読みやすいのでどうぞ。