胃腸でものを考える

失踪日記

話題になったときは、「吾妻ひでおがエッセイ漫画だなんてイカニモすぎる」とかおもって敬遠してたんですが、機会があったので読んでみました。以下雑感。

まぁイカニモでしたが。吾妻ひでおを知らないひとは読めないかも知れません。
自らの生活を漫画にするにあたり、吾妻ひでお本人は「悲惨にならんように描いた」とか言ってるんですが、仮にもエッセイとして自分を切り売りするなら、悲惨に描いてほしかった。ギャグにするならスレスレなのが薄ら寒くて本心から笑えるのに。漫玉日記とよく比較されてるとおもうのですが、漫玉はたまに救いようがないのがよいですよね。「あ、連載続いてるから生きてはいるのだ」と安心したり。
後半のアル中描写は堪能しました。鬱描写も前述の漫玉と同様に破壊力があってよろしい（桜玉吉のは破壊力がありすぎるともおもったが）。どうせなら全編アル中編でやったらよかったのです。

こんなこと言ってるけど、中身はおもしろかったですよ。ただ、別の描き方だったらどうだったろうとおもってしまうのです。ほんとに日記形式にして淡々と進めてみるとか、毎日食べたものを記してみるとか。ともあれ、吾妻ひでおの胃腸に乾杯。