言い換えの言い換え

■国語国立研究所「外来語」委員会 第三回提案
http://www.kokken.go.jp/public/gairaigo/Teian3/index.html
http://www.kokken.go.jp/public/gairaigo/Word_List/iikaegotou_dic.html(一覧)


各所で税金の無駄遣いと叩かれている国語国立研究所ですが、ついに燃料投下。外来語の言い換え案の第三回提案が出されました。これを期に今までの言い換え案をざっと見てみましたが、なかなかどうして、8割くらいは本採用できそうで、個人的にはいい感じです。


改めて一覧で見ていると、どうしてカタカナのまま使ったのかな、とか思える単語もちらほら。「コミット」が「共同声明」に言い換えられていて、凡例に「共同コミット」と書いてあったのが笑えます。翻訳家の能力の問題ですね。


外来語の氾濫は、「横文字がカッコよさそうだからつい使ってしまうと、相手がその言葉を知らなくても「そ、そうだよね」と言ってしまって悔しいもんだから家で調べてほうほうこういう言葉だったのかちくしょー誰かに自慢してやる、お、いいところに後輩のMがいるじゃないかおーいM、〜ってアレだよな「そ、そうですよね」と連鎖していくことに原因があります。と同時に、翻訳家の手抜き、日本語的発想の欠如、そして何より英語の汎用性に問題があるのです。


英語の汎用性というのは、「ひとつの単語にいろんな意味が含まれること」に他なりません。逆に言えば「いろんな意味をひとつの単語でしか表せない」ということになります。語感やニュアンスの面では優秀かもしれませんが、翻訳するほうにとっては非常に困る。英語圏の社会を知っていなければ翻訳できないにも関わらず、その単語の持つニュアンスを理解しすぎていると日本語に翻訳しにくいというジレンマがあらわれるからです。



現代のように文化が錯綜する時代にこそ、福沢諭吉のような天才が必要なのかもしれませんね。とはいえ諭吉センセはもういないので、国語国立研究所、もっとがんばれ。「万人向け設計」はないだろう。



[参考リンク]
■ちょいペダ用語の基礎知識
http://www5e.biglobe.ne.jp/~muraryo/page019.html


[追記]
ユニバーサルデザイン』→某スレでは「共有化設計」という妙訳が!
ユビキタス』→「遍在」って日本語があるだろ。「汎在」だと造語だけど、これも悪くないとおもうよ。