勿体無いの神

ES (1) (モーニングKC (801))

ES (1) (モーニングKC (801))

Eternal-Sabbath、ついに完結。8巻は書影がないので1巻で。


いやー。尻すぼみというかなんというか。
結局、惣領冬実の「動きが描けない」という欠点が最後まで足を引っ張り続けた作品ですね。アクションにドライブ感が無さ過ぎるから、「シュロvsイザクvs未祢」による「肉体・精神・俯瞰」の対比が生かしきれない。まぁそれ以前に作者自身がテーマを昇華できて無いようにみえるんですが。加えてストーリーが密に練られてるわけも無い。構成力が無いのか構成する気が無いのか、最後は力技に頼ろうとするし、当初の魅力であった「脳の科学」というものをすべてオカルトで置き換えてしまうところにもやはり構成の問題がある(本来ならそのオカルトを科学で紐解かないといけない)。そして最後のネタバレ&結末が・・・。
んん、思い返してみると誉めるとこがないな?


ええと、1巻の極彩色の精神描写とか良かったです。本人はきっと読み切りのつもりだったのでしょうね。未読のひとは漫喫で1巻だけ読むことをオススメします。




[追記]
ふとおもったんですが、イザク改心(生死問わず)のベタハッピーエンドっぽくしてもよかったような。「母」というキーワードも一応はあったわけだし、「わからないから好きになる」という相互関係がイザクに描かれていない状態では、絶望するにも理由が足りない。あぁ、本当に勿体無い作品だな。誰か描かないかな?田島昭宇とか。